トップアスリート育成事業2023

トップアスリート育成事業2023
期日 令和6年2月3日(土)~4日(日)
会場 グランドプリンスホテル広島

「トップアスリート育成事業 2023」が開催されました

  広島県が国スポ総合8位入賞を達成するため、ジュニア選手を対象に、国スポ候補選手としての自覚を養うとともに、スポーツ医・科学等の各種研修を通して競技力の向上を図ることを目指し、トップアスリート育成事業2023を開催しました。2月3日(土)・4日(日)の1泊2日の日程でグランドプリンスホテル広島を会場に、各競技団体や学校体育団体から推薦された9競技53名のジュニア(中・高校生)選手が参加しました。

【第1日目】2月3日(土)
特別講演「がんばれ!広島のジュニア選手たち」(国スポを目指して頑張ろう!)

講師:木村 文子 氏  公益財団法人広島県スポーツ協会強化委員会委員

 陸上競技100mハードルの選手としてロンドンオリンピック、東京オリンピックに出場され、エディオン女子陸上競技部コーチの木村文子様から、選手としてとても重要な「目標と目的」の考え方・持ち方についてお話していただきました。

 目標は、目的地まで外れないように目印になるものであり、目的は、何のために達成したいか、その理由のことです。目標だけでなく、目的をちゃんと持っておくことがとても重要です。木村様の学生時代の目的・目標の設定を例にして考え方・持ち方について説明をしていただきました。実際に参加者の方にも今現在の目的と目標について考え・発表をしました。目標には、現在型タイプと将来型タイプがありますが、自分の性格(特徴)にあった方で設定して、くじけそうになった時には、目標と目的をうまく使って、乗り越えてほしいと思います。最後に、日頃から感謝の気持ちを忘れずに、沢山の方から応援される選手を目指してほしい、そして、参加者の中からそういった選手になってほしいと木村様から激励の言葉をいただきました。


研修Ⅰ「戦うメンタル」

講師:村上 妃斗美 氏 スポーツメンタルトレーニング指導士

 

 「心」「技」「体」の「心」の部分を鍛えるのがメンタルトレーニングです。最初に講師の方から「緊張するのは悪いことじゃない。」と。「どうして緊張するのか」今日は知って理解して帰ってほしいと言われました。何事も考えることがとても重要です。
 試合で最高の力を発揮するために、色々な方法があります。やってきたことを出す場が試合。試合とは「試し合い(ためしあい)」と書きます。勝つ・負けるではなく、練習で身につけてきたことを相手と試し合いましょう。緊張するときは、身体が温かくなります。それは、身体がウォーミングアップをしてくれていて、戦うスイッチが入っている状態であり、緊張を味方にしましょう。集中のオン・オフをしっかりできる選手は、集中力がある選手です。集中のオン・オフの方法として、ルーティーンやフォーカスポイント(目の焦点と気持ちを合わせる一点)をじっと見つめるなど、自分に合ったものを見つけましょう。今回リラックスする方法として、「呼吸法」や「ギュ~!!ストン」を紹介いただきましたが、行動した後がとても大事です。やっていることが大事なのではなく、「身体が軽くなったなぁ」など実感することが大切です。

 また、質の高い練習のために、目標を設定することの重要性や練習や試合の良かった点や悪かった点をノートに書くことで次の課題が整理しやすくなり、振り返るときに活用できるので実践しましょう。練習は試合のように、試合は練習のように全力で取り組んでほしいです。アスリートの心得として、フェアプレイの精神で戦うとともに支えてくれる周りの方への感謝の気持ちを持つことが重要です。今回の研修は、メンタルトレーニングの重要性についても強く意識できる貴重な機会になったと思います。


研修Ⅱ「ジュニアアスリートの食生活」

講師:中藪 宏美 氏 広島文教大学 准教授 / 藤岡 華代 氏 広島文教大学

アスリートとして活躍するためには、しっかりとした身体づくりが不可欠です。身体づくりに必要な栄養、特に、筋肉量を維持・増加するために必要なたんぱく質・炭水化物・ミネラル・ビタミンについて詳しく解説していただきました。夕食・朝食は、用意された料理(主食・主菜・副菜)を自分で選び、適切な分量を量って食べることで、アスリートにとって必要な食事量や栄養バランス(摂取目標と実際の摂取量)の意識づけをします。また、食事のことは選手本人だけではなく家庭でのサポートが重要となることから、希望する保護者も参加して、一緒に学びました。ジュニア選手と保護者にとって、食事の大切さを実践的に学ぶ貴重な機会になったことと思います。

夕食

朝食


【第2日目】2月4日(日)
研修Ⅲ「コア・トレーニングの理論と実技」

講師:竹原 亮紀 氏
日本コアコンディショニング協会理事・マスタートレーナー

自分の身体を思ったように操作し、様々な運動を巧みにこなす運動スキルを向上させるためのコア・トレーニングを体験しました。自分の身体の感覚を把握することから始まり、途中にはかなり息が弾む運動もありましたが、選手たちは真剣に指導を受け、体を動かしていました。特定の競技に必要な技能(スポーツスキル)は、運動スキルの上に成り立ちます。そのため、運動スキルを高めるためのコア・トレーニングを実践していくことで、特定の競技に必要な技能も習得しやすくなり、パフォーマンス向上の近道となります。家でもできるトレーニングをたくさん教えていただいたので、継続してコア・トレーニングを実践して、国民スポーツ大会の広島県代表として活躍できる選手に成長することを期待しています。

研修Ⅳ「スポーツ医・科学相談」

スポーツ医・科学相談では、内科・整形外科・歯科・栄養・トレーニングの個別相談が実施されました。選手が抱えている悩みや疑問等について、各分野の専門の先生方に個別に直接相談できる貴重な機会であり、先生方も熱心にアドバイスしてくださいました。相談内容を今後の活動に活かして活躍されることを願っています。

アンケート結果・感想(回答者53名)

1「がんばれ!広島のジュニア選手たち」参考になった。(53名)
2 「メンタルトレーニング」参考になった。(53名)
3 「ジュニアアスリートの食生活」参考になった。(52名)
4 「コア・トレーニングの理論と実技」参考になった。(52名)
5 「スポーツ医・科学相談」参考になった。(52名)
6 夕食・朝食・昼食時の「食事指導」参考になった。(52名)
7 参加者コメント
・目標を持って取り組むことが大切で、それに目的を持つことでより良い結果を出せる1つの要因になることがわかりました。困っていたことも研修の中で、しっかり分かってこれからの活動に生かしていきたいです。
・今まで意識してなかったことについても沢山学ぶことができたのでとても良い経験になりました。
・トップアスリート育成事業で話を聞かなければ、普段から意識することを学べなかったので、この経験が無駄にならないようにしたい。
・日本一の選手になるためには、技術を上げるのはもちろんだけどそれまでの過程やメンタル、食事すべていることが分かったし、どのようにしていけばよいか分かったので、実践していきます。アスリートの人々は、コア・トレーニングもやっていたと聞いたので僕もやっていこうと思います。
・アスリートとしてのメンタルの持ち方や目標・目的に対する考え方がよくわかるようになりました。自分の身体を作っていく食事やコア・トレーニングを正しく行って大切にしていきたいです。

・今回教えてもらったことを実際にやってみたり、チームメイトに教えたりして、これから実績が出るようにしていきたいです。