トップアスリート育成事業

トップアスリート育成事業2024
期日 令和7年2月8日(土)~9日(日)
会場 グランドプリンスホテル広島

「トップアスリート育成事業 2024」が開催されました

  広島県が国スポ総合8位入賞を達成するため、ジュニア選手を対象に、国スポ候補選手としての自覚を養うとともに、スポーツ医・科学等の各種研修を通して競技力の向上を図ることを目指し、トップアスリート育成事業2024を開催しました。2月8日(土)・9日(日)の1泊2日の日程でグランドプリンスホテル広島を会場に、各競技団体から推薦された11競技52名のジュニア(中・高校生)選手が参加しました。

【第1日目】2月8日(土)
特別講演「がんばれ!広島のジュニア選手たち」

講師:河田 悠希 氏  株式会社エディオン

東京2020 オリンピック アーチェリー男子団体銅メダリスト      

 

広島県立佐伯高等学校出身で、高校在籍中に出場されたアーチェリー全日本選手権では、最年少優勝を果たし、東京オリンピック2020銅メダリストの河田悠希選手から、目標設定の大切さについてお話しいただきました。
 「夢と目標」の違いについて、最終目標を達成するためにも、短期目標・中期目標・長期目標を設定し、短期・中期は時に修正しながら、長期目標を達成していくプロセスを紹介いただきました。河田選手から直接目標を聞かれたジュニア選手もおり、他のジュニア選手を前に堂々と目標を発表している姿が印象的でした。
 河田選手がオリンピックに出場された時のお話もしてくださり、オリンピアンの実体験を聞ける貴重な機会にジュニア選手たちもたくさんメモを取りながら、一生懸命聞いていました。
 質疑応答の時間では、河田選手の食生活などについてジュニア選手から質問があり、アスリートとしての過ごし方を少しでも吸収しようとするジュニア選手たちの姿が見られました。
 最後に、日頃から感謝の気持ちを忘れずに、沢山の方から応援される選手を目指してほしいと河田選手から激励の言葉をいただきました。

 


研修Ⅰ「戦うメンタル」

講師:田村 進 氏 広島県スポーツ協会スポーツ医・科学委員会委員

 

 

 競技力の発揮・向上のための実力を発揮できる心理状態、実力を発揮できる心理状態をつくる方法、自信の付け方の3点についてお話しいただきました。
 「自信」「不安」「緊張」「集中力」「やる気」の5つの項目全てが適度な状態の時に最も実力を発揮することができること、適度な状態は一人一人違うため、自分が実力を発揮できる適度な状態を知ることの大切さからお話しいただきました。
 適度な心理状態をつくるために、まずは自分のベストパファーマンスの状態を分析する必要があり、5つの項目を感じすぎている「上がりの状態」か感じていない「下がりの状態」かを分析して、上がりであれば、リラクゼーションの対応を、下がりであれば、サイキング・アップの対応をします。リラクゼーションの一例として、「4・2・4」のリズムで吸って・溜めて・吐く腹式呼吸をすることやサイキング・アップの一例として声出しや体をたたく、スマイルアップ法などの紹介があり、選手のみんなで実践する時間もありました。
 また、良い結果が残せた等のポジティブな現象が起こると自信が付くことが多いため、まずは自分にとってのポジティブなこと、いわゆる目標の設定が大切であることを学びました。何をどの程度いつまでにどのようにして達成するのかの目標を設定し、達成することを繰り返すことで自信が付いていきます。目標設定の際には、期間ごと、内容ごとで具体的な目標を立てることを意識し、目標の設定基準は、自分が50%で達成できる目標を意識することが必要だと教えてもらいました。また、目標に対してフィードバックをするとしないとでは成果に大きな差が出るため、きちんとフィードバックをすることの大切さを学ぶことができたので、選手たちには是非実践してほしいです。

 


研修Ⅱ「ジュニアアスリートの食生活」

講師:中藪 宏美 氏 広島文教大学 准教授 / 藤岡 華代 氏 広島文教大学

 アスリートとして活躍するためには、しっかりとした身体づくりが不可欠です。身体づくりに必要な栄養、特に、筋肉量を維持・増加するために必要なたんぱく質・炭水化物・ミネラル・ビタミンについて解説していただきました。
夕食・朝食は、用意された料理を自分で選び、適切な分量を量って食べることで、アスリートにとって必要な食事量や栄養バランス(摂取目標と実際の摂取量)の意識づけをします。
 また、家庭でのサポートが重要となることから、希望する保護者も参加して、一緒に学びました。

夕食

朝食


【第2日目】2月9日(日)
研修Ⅲ「コア・トレーニングの理論と実技」

講師:竹原 亮紀 氏
日本コアコンディショニング協会理事・マスタートレーナー

 自分の身体を思ったように操作し、様々な運動を巧みにこなす運動スキルを向上させるためのコア・トレーニングを体験しました。自分の身体の感覚を把握することから始まり、途中にはかなり息が弾む運動もありましたが、選手たちは真剣に指導を受け、体を動かしていました。特定の競技に必要な技能(スポーツスキル)は、運動スキルの上に成り立ちます。そのため、運動スキルを高めるためのコア・トレーニングを実践していくことで、特定の競技に必要な技能も習得しやすくなり、パフォーマンス向上の近道となります。
 家でもできるトレーニングをたくさん教えていただいたので、継続してコア・トレーニングを実践して、国民スポーツ大会の広島県代表として活躍できる選手に成長することを期待しています。

研修Ⅳ「スポーツ医・科学相談」

スポーツ医・科学相談では、内科・整形外科・歯科・栄養・トレーニングの個別相談が実施されました。選手が抱えている悩みや疑問等について、各分野の専門の先生方に個別に直接相談できる貴重な機会であり、先生方も熱心にアドバイスしてくださいました。相談内容を今後の活動に活かして活躍されることを願っています。

アンケート結果・感想(回答者51名)

1「がんばれ!広島のジュニア選手たち」参考になった。(47名)
2 「メンタルトレーニング」参考になった。(48名)
3 「ジュニアアスリートの食生活」参考になった。(48名)
4 「コア・トレーニングの理論と実技」参考になった。(50名)
5 「スポーツ医・科学相談」参考になった。(49名)
6 夕食・朝食・昼食時の「食事指導」参考になった。(50名)
7 参加者コメント

・目標を持つことが大切だと思った。メンタル面、自分の意識を上げるためにも目標を持って練習したい。歪んでいる骨の改善方法が分かったので実践したい。
・体の仕組みや状態について知ることができ、今後のパフォーマンス改善につながると思った。普段気にしていなかった食生活についても詳しい話を聞くことができ参考になっ 
 た。医科学相談では、個人的な悩みについて専門的に答えてもらい、解決方法を知ることができ、良い機会だった。
・自分自身が変われば、より良い自分になっていくと思った。今回学んだことを継続して成長したい。国スポで優勝する!
・筋肉を少し緩めたり、伸ばしたりするだけでマジックのように今までできなった動きができるようになったりすることが面白くて参考になった。
 オリンピックの話や、オリンピック選手の食生活などが分かり、自分の生活にも生かせるようにしたい。何を食べているかや、ストレッチはどの部位に効いているかなどを今後
 は考えながらやりたい。

過去レポート一覧

トップアスリート育成事業2023
トップアスリート育成事業2019
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